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おひさしぶりですがあいかわらずトラ空ですみません。トラ空が普及するまで死ねません。
以下、珍しくミランクスや長男の介入しないトラ空です。短いですが…




先ほどまで鍛錬に勤しんでいた、トレーニング着のままのトランクスを悟空は見下ろしている。
同年代の男子よりは明らかにできあがった身体つきをしているが、肌理細かい肌と健康的に焼けた首筋が少年らしくて好ましい。わずかに湿った癖の無い髪がちらちらと揺れるのが悟空の黒い瞳に映っている。
母親譲りの容姿に恵まれた少年の造作にふと気づく度、悟空はいつも後悔のような胸の痛みを漠然と感じる。

もう、辞めなければと思っている。
延ばされた手をとるのも、せがまれるままに優しい言葉を吐くのも。

数年前からトランクスは、学校の勉強以外に、いずれ会社を継ぐための教育を受けているのだという。本人は不満そうだが、口で言う割に何でも器用にこなせる子だ。
昔はなんでも悟天と一緒だったものだが、今日の鍛錬だって、わざわざこの遠いパオズ山まできて一人でやっていたのだ。
最近の悟天と同じで、トランクスだって幼い頃ほど修行に熱心ではなくなっていた。
だけど、こうやって座学の合間を縫ってでもそうしているのは、悟空が喜ぶからだった。

「だって悟空さんは、強い男が好きでしょ」

…なんだか語弊を呼ぶ言い方ではあるが。
他人に寄せられる好意にも悪意にも無頓着な悟空だが、慕われるのも、熱心に修行する姿も素直に嬉しい。さっきまでだって組み手に付き合っていた。
けれども、この少年が望む想いも返せないのに、いつまでもこんな秘密を一緒に持つ訳にはいかないのだ。

「ごくうさん」

次男と一緒に無邪気にまとわりついてきた少年の声は、いつからこんな色を含ませるようになったのか。

「トランクス、おめえ疲れてんじゃねえのか?結構全力だったろ。まだ息があがってる」
すり寄ってくる身体をやんわりと止めながら言うと、トランクスは少しだけムッとして口をとがらせた。
「全然大丈夫です!若いしね。…あ、それとも汗臭いかな…」
くん、とシャツの胸元を引き寄せて気にする素振りの緊張感のなさに、悟空は思わずふっと息を吐いた。
「そうでもねえけど。それならオラのほうがくせーだろ?」
「んーん。俺、悟空さんの匂い好きだし」
「…。」
色事に鈍い自覚のある悟空だが、そういうのはなんというか、自分に言うのは間違っているのではないだろうか。
「ねえ、はぐらかそうとしてるんなら、無駄ですよ。そろそろ観念してください」
男の顔つきをした少年のまっすぐな目に見つめられて、思わず反らした顔を、追いかけるようにして唇が触れる。
駄目だと思う。親友である少年の母親の顔が、自分の家族の顔が脳裏に浮かぶ。
けれども目の前には、これ以上ないほど幸せそうなトランクスの顔しかなくて、容赦なくぶつかってくる熱い身体と想いに、いつの間にかもうここまで流されている。
いったいこの眉目秀麗な少年が、親友の父親にこんなことをしていていいのだろうか?
(やっぱり、解んねえ…)
いっそ、ベジータにでもバレたら一思いにこの逢瀬も叩き壊してくれるんじゃないかな、とか物騒なことも思ってみたりするけれども。
喜色にまみれた気を感じると今日も何も言えずに健気な少年の行動を甘受してしまう悟空だった。

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単発にするつもりでしたがベジータにバレるの巻も書きたくなってきた…
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memo

10.06.20

久しぶりすぎで恐縮ですがトラ空を1本。
あいかわらず俺得です。
トラ空…増えないかなぁ…

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